YOASOBIの新曲『舞台に立って』。
この曲の原作が『はなれたふたり』『パラレルレーン』『終わらないデュース』の3作品となっていて、それぞれオフシャルサイトにて読むことが可能です。
また『少年ジャンプ+』にて漫画を読むことも可能となっています。
小説×漫画×音楽そしてMVが合わさってこの舞台に立ってが出来上がっていると思うと本当にすごいと思います。
この曲もそうですが原作小説は一体どういうお話なのか
どういう思いで作られているのか
そんなことが気になったので実際に小説を読み、それぞれあらすじや感想などを記事にしてきました。
本記事では『終わらないデュース』についてあらすじ、感想、考察をまとめていきたいと思います。
これから先は【ネタバレ】を含みますのでご了承ください
YOASOBI終わらないデュースあらすじは?【ネタバレ】
この『終わらないデュース』
テーマは『テニス』となっています。
15分~20分ほどで読める短編小説です。
世界大会テニス女子シングルス決勝。
主人公は山田いち。いちには妹がおり、妹は頭もよく人気者、学級委員長にも選ばれ、友達にも両親にも好かれた人気者。対していちは頭が悪く、協調性もなかったため友達もいなかった。
自分は誰にも認められない。劣等感、孤立感そんな感情はまるでシンデレラのようでした。
ただいちには唯一テニスが人よりうまくできました。
13歳では初めてジュニア大会優勝。両親にも褒められ、さらに努力をしていきます。
そうしていちは頭角を現していき、全国大会連覇、インターハイ、全日本選手権でも負け知らず。
さらに世界大会を二度も制覇するほどになりました。
そして今回の世界大会テニス女子シングルス決勝。
相手は世界ランク急上昇中のメルル・アンジェリカ。
はじめ、いちはすぐに勝利すると思っていました。
しかし実際は・・終わらないデュース。
1日が終わり、1週間、1ヶ月、3ヶ月・・毎日二人は試合をしていきますが勝敗は決まりません。
はじめの頃は奇跡の試合などと言われ、メディアなど取材が入り、『最も長くデュースを続けた選手』としてギネス認定されました。
純粋に試合をみていた人たちですが期間が経ってくると段々お客さんは選手の人がらをみていくようになっていきました。
メルルは人当たりもよく可愛い顔立ち、ファンへの感謝を忘れない謙虚さも持っています。
対していちは協調性がなく、性格も悪い、インタビューでは自分の実力をはなにかけるようなことばかり言っていました。
この差によって世間はメルルの味方になり、次第にいちを応援する声が少なくなりました。
子どものころを思い出し焦るいち。
このままではまたひとりぼっちになってしまう。
居場所がなくなってしまう。
そんな思いから今まで断っていた番組出演やCMなどメディア出演をすべて受け、ファンサービスもやるようになりました。
こうすればまた応援してくれる人が増え、試合に勝って、また自分の居場所ができる。
そういちは思っていました。
しかし現実は違いました。
メルルへの歓声にあふれています。
メディア露出などの行動を起こすのが遅すぎました。
メルルはもともと人気があったため一朝一夕のことでは変わりません。
しかも無理に仕事をいれていたため休息もとれず、テニスでも負けそうになってしまいます。
なんとか必死で食らいつきその日もデュース。半年が経ちます。
ここまでくるとメルルの人気も世界的となり、映画になるほどでした。
いちは全てがどうでもよくなり、テニスをやめることばかり考えるようになってしまいます。
そんなときにメルルから試写会に誘われます。
いちは最初は断ったものの根負けし試写会にいきました。
映画の主人公はメルル似の女子選手。
『残念だったけど、有名スポーツブランドの社長令嬢だし、両親もスポーツ選手で遺伝子も環境もちがうんだから』
負けた選手を他の選手がこのように慰めているシーンがありました。
そんな中この主人公を負かせた選手が現れました。なんといちにそっくり。
しかもその選手がスーパースターでした。
おどろくいち。
その帰りに初めてメルルのいちに対する気持ちを知ります。
いちはメルルにとってのスーパースターでした。
メルルは誰もが羨む環境で映画のセリフのように言われていたこともあり、誰もが特別な目で見てくる中、いちだけは普通に接してきました。
それがうれしかったのかどうか。
ただその後にでたセリフは実際いちがいったセリフそのものでした。
ここからいちの気持ちに変化が現れます。
ずっといちがなりたかったスーパースター。自分がずっとそのスーパースターだと思っていたメルルから『私のスーパースターはあなた』だといわれたいち。
期待通りになってやると、また本気でテニスに打ち込むようになりました。
そして丸二年が経ちました。
試合は続き、絶好のチャンスボールがいちにきました。
実はいちはずっと練習していた技がありました。
映画でメルル似の主人公がやっていた技です。
普通じゃできないと思われたその技。
いちは見事に技を決めました。
その映画の通り、いやそれを超えたウルトラスーパースターになったのです。
それから一年後。
まだ試合は続いています。
お互い負ける気はありません。
本気の二人の試合が今日も始まります。
YOASOBI終わらないデュース新曲『舞台に立って』原作の感想や考察は?【ネタバレ】
今回のテーマはテニス。
終わらないデュースということで3年もの間試合に決着がつかないという設定にまず驚きました。
現実でいくと2010年6月に行われた男子シングルス1回線。ニコラ・マウー選手VSジョン・イズナー選手の試合で、5セット目で実にゲームカウント70-68、時間にして11時間5分の試合がギネス記録となっています。
調べてみてこの記録にもまた驚きました。
もちろん1日でやられたわけではなく、日を跨いでいますが、11時間超えのテニスの試合。
体力や集中力、精神力、何をとってもすごすぎる試合だったと想像します。
そんな中本作品では3年という年月同じ二人が試合を続けるわけです。
初めは興味もなかったいちも、月日を追うごとに、メルルに対する嫉妬心、居場所をとられてしまうかもしれないという恐怖心がでていったんは自分を見失ってしまいます。
しかしこれを奮い立たせるのも、自分を認めてくれたのも、憧れてくれたのも、自分が一番言ってほしい言葉をかけたのも・・
全てがメルルでした。
ただこれはメルル目線で立ってみても同じなのではないでしょうか。
いえはお金持ちで何でもそろう。
設備も良くてコーチも良いのであろう。それは負けて当然。
と自分自身を認めてもらえたことはなかったのではないでしょうか。
そこでいちとの出会い。自分を他の人と同じように接し、声をかけ、試合をしました。
今まで張物に触るようにどこか特別扱いされていた自分が、普通に接してくれること。
これはなによりうれしかったことだったのではないかと思います。
だからこそいちにとってのスーパースターはめるるであり、めるるのスーパースターはいちとなるのです。
ありえない話と思いながらも、そこでくり拡げる二人の選手の駆け引きのようなものも感じ、知らぬ間に入り込んでいました。
環境は違えど自分の居場所となったこの2人の試合。
試合の勝ち負けだけじゃないそれぞれの人生に少し触れられた気がしました。
YOASOBI終わらないデュースあらすじは?新曲『舞台に立って』原作の感想や考察も【ネタバレ】まとめ
本記事では『舞台に立って』の原作の一つである『終わらないデュース』についてのあらすじや感想、考察をまとめていきました。
- テーマはテニス。
- 生活環境や性格が全く異なる2人の女性選手の終わらない試合
- 何をやっても駄目だった自分が唯一人より優れたテニスで居場所をつくる主人公
- 社長令嬢で恵まれていたが、周りにはそういう目でしか見られず居場所がないと感じていた。
- 主人公から初めて”普通の人”と同じように接してもらえて居場所ができた。
- いつしか2人はライバルと言える仲に
ここまでお読みいただきありがとうございました。
舞台に立ってのMV考察もしていますのでぜひ!↓